2012年3月1日木曜日

牛は、ミネソタ州へのネイティブな

ネイティブ感覚で観る『ザ・ホワイトハウス』49:狂牛病〜アメリカ国内の事情〜 Mad Cow Disease

今週は、日本でも米国産牛肉の輸入が再開され、話題になっている狂牛病問題と政治に関する話題をお送りしましょう。まず、ホワイトハウスのスタッフと狂牛病専門医、そして首席補佐官レオの会話を見てみましょう。
Staff: A herd of cattle in Ogalala, Nebraska, was accidentally given banned feed and quarantined 18 months ago.
Dotor 1: One of the cattle showed neurological damage. It was unable to stand - it's called a Downer Cow.
Doctor 2: Tissue was sent to the NVSL in Ames, Iowa for the first round of tests. Another sample was sent to the UK's Central Veterinary Laboratory.
Leo: And?
Staff: The first round of Iowa tissue showed a presumptive positive.
Leo: Mad cow?
Staff: We don't know that.
Leo: But we think?
Staff: We have to wait for the UK tests.
Leo: Worst case scenario?
Staff: We declare a national emergency and a class one recall on all consumer beef.
Doctor 1: Mr. McGarry, we've tested over twelve thousand samples and none of them have come up positive.
Leo: Twelve thousand out of how many?
Doctor 2: Forty million adult cattle.
Leo: Somebody needs to teach me about this.
なぜ動物の動物園のunfareです。
スタッフ: ネブラスカ州オガラナの家畜に誤って禁じられた餌が与えられ、18ヶ月前に隔離されたんですよ。
医師1: その中の一頭は神経が冒され立つことができず、Downer Cow(歩行困難牛、病気などのため自力で立てない牛)になっていました。
医師2: 最初のテスト用組織サンプルがアイオワ州エイムズの連邦獣医研究所に送られ、別のサンプルが英国の中央獣医研究所に送られました。
レオ: それで?
スタッフ: 最初のテストでは仮陽性でした。
レオ: 狂牛病か?
スタッフ: そうとは限りません。
レオ: でもそう思う、ということか?
スタッフ: 英国のテストの結果待ちです。
レオ: 最悪のシナリオは?
スタッフ: 非常事態宣言を出して、全ての牛肉に対して第一種リコールを行わなくてはなりません。
医師1: マギャリー(レオの名字)さん、1万2,000以上のサンプルを検査しましたが、陽性反応を示した牛は一頭もいません。
レオ: 牛の総数は?
医師2: 成牛だけで4,000万頭です。
レオ: この件に関してもっと詳しく学ばなきゃならんな。

禁じられた餌とは肉骨粉のことです。 1万2,000のサンプルを検査した、とだけ聞くと、たくさんの牛を検査しているよう聞こえますが、成牛だけでも4,000万頭いる、と聞いたとたんに検査対象になっている牛の数があまりに少ないことが歴然となる、というプロットの進行が実にウマイ!

狂牛病を阻止するための検査に関して、勉強不足だったことを悟ったレオの表情が印象的ですよね。

次に、狂牛病検査で仮陽性が出た牛がいたことを公表すべきかどうかに関するレオと大統領のやりとりを見てみましょう。


混合塗料 - 色は茶色のものを作る?
President: So paint a picture for me, would you?
Leo: We find the source of the problem, which'll be the feed. We buy the cattle and slaughter them.
President: How many?
Leo: Tens of thousands.
President: That's the live cattle. What about the beef?
Leo: Well, FSIS will do a Class One recall and get it off the shelves. Not that they need to. Nobody's gonna buy beef for a couple of years.
President: That's a hundred and fifty billion dollar industry. What's the West going to do for a living?
Leo: Well this generation of ranchers is done. They won't get back on their feet.
President: People have known about this disease; they're still eating beef in record numbers.
Leo: That's cause it's been on the other side of the ocean. Once we announce a positive, steak houses are done. Fast food is done.
President: And then the corn and soybean growers, right?
Leo: The dominos don't end on this.
President: Any good news?
Leo: For fishermen.
どのようにミラーを作るのですか?
大統領: どうなってるのか説明してくれ。
レオ: 問題の原因が餌だとしたら、政府が牛を買い取って処分する、ということになります。
大統領: 頭数は?
レオ: 何万頭という単位ですよ。
大統領: 牛はそういうことだとして、牛肉はどうなる?
レオ: 食品安全検査局が第一種リコールを行い市場から回収しますが、そんなことをしなくても数年は誰も牛肉を食べないでしょう。
大統領: (牛肉業界は)1,500億ドルの産業だぞ。西部はどうやって生計を立てるんだ?
レオ: 現世代の牧場は終わりですよ。立ち直れないでしょう。
大統領: みんな狂牛病のことは知ってたが、それでもすごい量の牛肉を食べ続けているじゃないか。
レオ: (今まで狂牛病が発生したのは)海の向こうでのことだったからですよ。(アメリカで)陽性反応が出たと発表したら最後、ステーキ・ハウスは廃業、ファースト・フードも終わりです。
大統領: トウモロコシ、大豆の生産者にも悪影響が及ぶ、そうだろう?
レオ: 余波はそれだけでは留まりませんよ。
大統領: いいニュースはないのかね?
レオ: 漁師にとっては朗報でしょう。

このエピソードが放送されたのは2001年11月28日。まだアメリカでは狂牛病の牛が発見されたことがない時点でした。

2003年12月にアメリカで初めて狂牛病の牛が発見された後、カンザス州の畜産農場がお得先の日本に牛肉を売りたいために、自費で全ての牛をテストして安全を保障しようとしました。

ところが、ブッシュ政権の農務省は「狂牛病のテストができるのは政府機関のみ」として、テスト実施を阻みました。


でも真相は、「一つの畜産農場が持ち牛全てをテストすることを許すと、ほんの一部の牛しかテストしていない農務省が無能に見えるからだろう」、「牛のテストをしたくない他の畜産農場主たちの利益を優先しているだけ」など、消費者団体などから非難されています。

環境保護局、食品医薬品局のトップに、それぞれ石油業界や開発業界の人物、製薬業界の元CEOを据えているブッシュ政権の農務省の局長はアイオワ州の酪農業者だったマイク・ジョハンズ氏。消費者よりも業者が大事、というスタンスがブッシュ政権の特徴ですよね。

バートレット大統領がトウモロコシ、大豆の生産者に関して言及していますが、これは畜産業者はトウモロコシ/大豆生産者のお得意さんだから(家畜の餌として穀物が大量に消費されるから)。

つまり、穀類生産者の利益は畜産・酪農業界の利益と直結しているので、畜産業界が倒れると穀類生産者も大打撃を受ける、ということです。

さて、アメリカで食肉や牛乳などを生産する酪農が最もさかんなのは、テキサス、カンザス、ネブラスカ、オクラホマ、ミズーリ、サウス・ダコタ、コロラド、アイオワ、ウィスコンシン、ミネソタで、テキサスからコロラドまでの7州はRed Statesで、アイオワ、ウィスコンシン、ミネソタは2000年の大統領選ではゴア氏(民主党)がかろうじて勝っていますが、基本的には共和党が圧倒的に強い州です。

一方、アメリカの穀倉地帯は、オハイオ、インディアナ、ミズーリ、アイオワ、ネブラスカ、カンザス、サウス・ダコタ、ノース・ダコタ、ケンタッキー、モンタナ、ワイオミング、コロラド、アイオワ、ウィスコンシン、ミネソタで、こちらもアイオワ、ウィスコンシン、ミネソタ以外は共和党が強い深紅のRed Statesです。

これをふまえて、最後にレオの一言を見ておきましょう。

仮陽性が出たことを発表すべき、という報道官C.J.にレオがこう言っています。

Democrats aren't exactly loved by the beef industry to begin with. We're gonna get killed for causing false panic. 「民主党はそもそも牛肉業界からの支持率が高いわけじゃないんだから、(仮陽性の段階で公表して、実は陰性だと後で分かったら)誤認警報でパニックを引き起こしたということで選挙で惨敗するだろう」

民主党政権は選挙での負い目を考えると、畜産/酪農業界にベッタリの共和党政権と同じような隠蔽工作をするハメに陥らざるを得ない、というレオの苦悩がよく分かりますよね。

来週は、未だに続く黒人差別問題に関する話題をお届けします。お楽しみに!

関連サイト



過去の記事
ボキャブラリー
mad cow disease:狂牛病
downer cow:へたり牛
positive:陽性の
national emergency:非常事態
cattle:牛、畜牛

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