4つの相場サイクルからみた1つ目の山場 2012/03/07(水) 14:44:56 [サーチナ]
世界中のファンドマネージャーや投資家が意識しているであろう「4つの相場サイクル」をご存知でしょうか。それは、「金融相場」「業績相場」「逆業績相場」「逆金融相場」です。すべてご存知ではなくとも、どれか一つを耳にしたことがある読者の方も多いでしょう。
本題に入る前に、4つの相場サイクルすべての説明から行います。
金融相場 :金融緩和によるリスクマネーの拡大が市場内外の投資へ向けられる
業績相場 :企業業績拡大=EPS(1株利益)の伸びや経済成長を株価に織り込む上昇
逆金融相場:景気過熱を抑える目的の金融引締めによってリスクマネーが縮小、金融相場と逆相関の関係
逆業績相場:実体経済の悪化、企業業績の悪化を株価に織り込む下落。一連のサイクルの最終シナリオ
4つの相場サイクルはすべてつながり、どんな相場でも数年スパンでこのサイクルを繰り返していると言われます。では、今の日本株をこの4つのサイクルで読み解いてみましょう。
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(本コラム添付のチャート画像をご覧下さい)
Aゾーンでは、欧州債務問題、それに基づく信用不安、円高やタイ洪水被害等による企業業績の悪化など、様々な悪材料を織り込んで日経平均は下落しました。
一方で、黄色丸は、FRBのツイストオペ(11年9月)、ECBの3年物資金供給オペ(11年12月)と、欧米の中央銀行が量的緩和政策を打ち出した場面です。この結果、Aゾーンによって引き起こされた信用収縮が改善され、日経平均は12年1月から反転上昇を開始しました。
そして、この反転上昇を開始した相場において、援護射撃となったのが11年2月の日銀によるインフレターゲット、金融緩和です(水色丸)。欧米につづく日銀の金融緩和を背景に、日経平均は上昇ピッチを加速した、ここまでが現在の相場トレンドです。
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これらをまとめたBゾーンは、4つの相場サイクルでいえば「金融相場」です。景気悪化、企業業績悪化、信用不安など様々な問題に対処することを目的に、中央銀行が金融緩和を行い、政府は景気対策を打ち出す。そして「不景気の株高」と呼ばれる景気・業績と株価の乖離幅が拡がる場面です。
さて、勘の良い方は、上記の解説をお読みいただく中で日経平均のあるトレンドに気づかれたでしょう。
再度、日経平均チャートをご覧下さい。
(本コラム添付のチャート画像をご覧下さい)
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日経平均は、1月18日から上昇を開始、直近の高値をとったのは2月29日です。では、この2月29日は何があった日でしょうか?そうです、ECBのLTRO2(3年物資金供給オペ=量的緩和)です。金融相場のサイクルにおいて、目にみえる金融緩和の材料を株価に織り込んだことを示唆しているのが、日経平均2月29日の高値と考えられます。端的に言えば、2月29日の高値で一旦は金融緩和材料を織り込み済みとした可能性がある、というのが現時点の日経平均です。ここからは、更に金融緩和相場の拡大トレンドへ突入(=日経平均2月29日高値抜けなど)か、次なる相場サイクルの「業績相場」へ移行していくのかが、4つの相場サイクルでみるトレンドです。今は、このどちらかへ分岐する前の日柄調整であろうと思われます。
ここで「業績相場」のヒントを少しだけネタバラシしましょう。モルガンスタンレーグループが算出するMCSI指数対象48カ国の企業業績のうち、2012年に前年比で10%以上の増益予想が33カ国、減益予想はわずか6カ国です。更に、この48カ国のうち、増益期待ランキングで上位4位(数値にして前年比59%増益!)にあるのが日本という市場です。このことは、今年4月や5月の業績発表シーズンで重要度が増す可能性が高いとおもわれますので、今のうちに投資ヒントの引き出しとして読者皆様はもっておいてください。(情報提供:株式会社アイリンクインベストメント)
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