2012年4月7日土曜日

アフリカンシクリッド


◆アフリカンシクリッド

 アフリカンシクリッドとは、東アフリカを南北に走る大地溝帯に点在する、多くの湖沼郡に生息するシクリッドのことを言います。 これらのシクリッドはそれぞれ独自の分化が進み、多様な生活様式を作り上げています。その中でも観賞魚として主に輸入されているのは、マラウィ湖・タンガニーカ湖に生息するものがほとんどです。マラウィ湖産の物は体がメタリックブルーになる種が多く、これほど青い淡水魚はアフリカンしかいないでしょう。対照的にタンガニーカ湖産のものは、体色こそそれほど派手なものは多くないですが、宝石のような輝きを持つ魚が多いです。私が飼育しているのは全てマラウィ湖のものですが、飼育方法など、基本的なところはそれほど変わらりません。しかし、一般的にタンガニーカ湖産の物の方が、飼育・繁殖共に難しいようです。

 

◆アフリカンシクリッドの飼育

 私自身マラウィ湖産のものしか飼育していないため、ここからは全てマラウィ湖を基本に話をしていきます。

 マラウィ湖は長さ600km、幅80km、深さ472mの広大な湖です。マラウィ湖の水は年間の平均水温が25℃、pH7.8〜8.5、 ミネラルに富んだ硬水です。この水によって体色の鮮やかなシクリッドが育まれて来ました。この水質を完璧に水槽内で作り出すことは難しいですが、以下のことに注意すれば飼育自体はとても簡単な魚です。


felorideaの意味は何ですか
    1. 中性から弱アルカリ性の水
    2. 亜硝酸濃度の低い水(汚れの少ない水)
    3. 適切な水替え

 まず、中性から弱アルカリ性の水ですが、これはサンゴ砂や貝殻を入れることで簡単に出来ます。サンゴ砂を入れるとpHは8.0〜8.5程度で安定し、水作りには困りません。また粒のサイズも様々なものが売られているので、用途に合わせたサイズを選ぶことが出来ます。ただし、底砂にサンゴ砂を用いると発色がわるいので、出来ればろ過に用いる方が良いでしょう。熱帯魚用の底砂で多く用いられる大磯砂は水質を保つ効果がなく、急激に酸性に傾くことがあるので、硅砂等を利用するほうが良いです。さらに、水に人口海水(塩でもいいです)を規定量の10分の1から5分の1程度溶解させると、水をより長持ちさせたり、殺菌効果が期待できます。

 次に亜硝酸濃度の低い水ですが、これはワンサイズ上のろ過装置を用いると良いでしょう。アフリカンシクリッドは大食で、排泄物の量も多いため、すぐに水が汚れてしまいます。こまめに掃除をしてやれば特に問題はないのですが、出来れば大き目のものを使用するのがいいと思います。 最後に適切な水換えですが、私は週に1度3分の1程度の水換えをしています。一度に大量の水替えは水質を激変させるため良くありません。ですから3分の1から4分の1程度に抑えた方が良いでしょう。また、塩を用いる場合は排出した分を継ぎ足してやりましょう。

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◆アフリカンシクリッドの繁殖

 アフリカンシクリッドはその多種多様な生態に対し、繁殖に関してはほぼ全てがマウスブルーダーです。アフリカンシクリッドの飼育において、繁殖は一つの醍醐味で、婚姻色を呈するオスの美しさは、格別です。


白い鳥は羽ばたくことなく、遠くを飛ぶことができます

 アフリカンシクリッドは、繁殖に対して特にペアを作らず、抱卵したメスと元気なオスがいれば繁殖自体は非常に簡単です。メスの抱卵は産卵管を見ることで知ることが出来、およそ3mm程度まで突出していたら、産卵は間近です。こうなると、オスは自分の縄張りを示すクレーターにメスを誘い、体を震わせながらアピールします。この時オスの美しさは最高潮に達し、まったくアフリカンを知らない人でも単純に美しいと思えるでしょう。

 産卵は、2匹で同じ場所を追いかけっこするようにクルクル回りながら、「メスが卵を産み、その卵にオスが射精し、メスが咥える」、ということを繰り返します。全ての卵を咥え終わったメスは、その後3週間程度エサも食わずに卵を咥えつづけ、時折口をもぐもぐさせて新鮮な水を卵に送ります。稚魚が孵ると、メスは安全を確認してから口から出し、危険を感じると再び口に含みます。この光景の愛らしさは言い様も有りません。

 

 ここまでが、本来の産卵から孵化までの順序ですが、実際に水槽で繁殖させるとなると、話は少し違ってきます。一般的にアフリカンの飼育は混泳が多く、1種類のみを飼育している方が珍しいでしょう。この様な場合での繁殖でまず問題となるのがハイブリッド(別種間での交配)です。

 多くの熱帯魚は、飼育者の好みに合わせ品種改良されてきました。しかし、アフリカンシクリッドに関しては基本的にワイルドに価値を見出し、品種改良は行わないというのが原則です。逆に言うと、ハイブリッドしやすい種類であるということです。実際にはワイルドとして入ってくる魚もまったく他の魚と交配が行われていないという保証はありません。だからこそ、同じ種類の魚であっても様々な色合いが楽しめるということかもしれません。しかしそれはあくまでの自然下においてのことで、水槽内でのハイブリッドは作らない姿勢を持ち、仮に出来てしまった場合は、飼育者が最後まで責任を持ちましょう。


カワセミの鳥は何色です

 また、卵を咥えたメスは非常に神経質になり、場合によっては卵を食べてしまうことも有ります。そこで確実に繁殖させたければ、繁殖用の水槽を用意し、メスにしっかりとエサを食べさせ、産卵が近くなったらオスを入れてやり、産卵が終わったらオスは別の水槽に移すというのが理想的です。この方法であれば、そのメスに食卵の癖がなければ、確実に子を取ることが出来ます。

 さらに、どうしても繁殖用の水槽を設置する余裕がない場合、もしくは卵を咥えたメスの体力消耗を抑えるために、2週間程度で人為的に卵をはかせるという方法があります(私は基本的にこの方法をお勧めします)。2週間位経つと、すでに稚魚は孵化しています。しかし自分で泳ぐほどの力はありません。この状態の稚魚は、産卵箱などで飼育し、お腹の卵がなくなったら少しずつエサを与えてやります。この時注意しなければならないことは、しっかりと水を循環させることです。特にカビは致命的で、発見した場合はすぐに取り除きましょう。また、2週間よりも前だと、孵化には至っていない事が多く、この様な場合の生存率は著しく低くなり、仮に孵ったとしても奇形の発生率が非常に高くなるため、お勧めは出来ません� ��

 卵の吐き出させ方は、水槽の水を張ったたらいにメスの顔を浸け、顎の辺りをさするようにします。最初のうちは魚を傷つけてしまうかもしれませんが、慣れてくれば簡単な作業です。くれぐれも強く握り過ぎないように注意してください。

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◆アフリカンのワンポイントアドバイス

・アフリカンの色を楽しむのであれば、ライトは特に必要有りません。むしろライトをつけていると、色が薄くなってしまいます。元々かなり深場に住んでいる魚なのであまり明るいと本来の色が出なくなってしまいます。1番良いのは日光の薄日なのですが、やはり観賞するにはライトがほしくなってしまいます。

 そこでお勧めなのは海水魚用などで使われる、深場の明かりを模したライトです。すこしブルーがかった色で、アフリカンにはちょうど良いと思います。


・ほとんどの方はアフリカンの飼育には低砂をしきます。よく本に書いてあるのはサンゴ砂を用いると言うものですが、これは魚も白っぽくなってしまうのでお勧めできません。比較的簡単に手に入る硅砂も決してベストとはいえません。出来るだけ暗めの物を使用すると、すばらしい発色を見せてくれるでしょう。また低砂は魚が口に含んだり、産卵時にクレーターを作って卵を咥えたりするので、大きくても2〜3mmのもの、魚のサイズによってはさらに細かな川砂等を使った方が良いことも有ります。魚の動きで舞い上がってしまうようなものはまずいですが、かなり細かなものを使う方が良いでしょう。

・アフリカンはあまり流れの無いところで生活していますが、これが水槽だと話が異なります。マラウイ湖のように広い場所であれば運動不足を気にする必要もありませんが、水槽という限られた場所では運動量が足りません。アフリカンはかなりの大食で、あげればあげるだけ食べてしまいますが、それを続けると腹水病にかかってしまいます。アフリカンの病気で一番多いのは多分これでしょう。魚が寄ってくるのでついあげすぎてしまうということが良くあります。またエサを与えすぎた魚は頭部が丸くなり、体に比べて目が小さく見えます。こうならないようにえさの量を調整し、もし太りすぎだと感じた時は意図的に流れを作ってやって、運動量を増やしてやりましょう。こうすることで体型を維持し、消化も助けてやること� ��出来ます。


・アフリカンは何でも良く食べるので、エサに困ることはないと思いますが、与えるエサで魚の成長は大きく変わります。1番成長が早いのはもちろん生餌で、イトメや小魚、エビなどがあります。もちろん常に数種類用意できれば生餌が1番良いのでしょうが、栄養が偏りがちになってしまいます。2番目が冷凍エサで、赤虫やディスカスハンバーグ等、そして最後が乾燥飼料です。この順番で成長が早く大きくなります。これらのエサを使い分けることで、それぞれの魚の面白さを引き出すことが出来ると思います。私は大型魚を飼育したことは無いので(密かにキヴィンゲを狙ってはいるのですが:とうとう買ってしまいました)よく分りませんが、小型魚に関して言えば、小さく育てることで何倍も美しく出来ます。そこでお勧め� �のが乾燥飼料です。成長は生餌や冷凍エサに比べてかなり遅くなりますが、消化が良いのでエサをあげすぎても腹水病にかかることは少ないでしょう。また水槽も小さなものを用意するか、もしくは間仕切りを設けてじっくり育ててやるとすばらしい発色をしてくれます。ただしこの方法は一匹もしくは数匹ずつで飼育する場合であり、混泳水槽などの場合には難しいです。

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