【採用担当者のホンネ】 セガ 意欲や愛着が採用につながるとは限らない:イザ!
セガ人事部人事企画チームマネジャー・長谷川泰弘さん
ゲームソフトメーカーの老舗で、2001年まではゲーム機も製作していたセガ。就職希望の学生にもやはり、ゲーム好きが多いという。
開発を担当するプログラマーなどの志望者には、自分が制作したゲームを提出してもらっている。手書きでアイデアをまとめたものや、パソコンで制作してすぐに遊べるものもあるが、人事部人事企画チームの長谷川泰弘チームマネジャーは「実際に売れるような作品を提出してくる人は残念ながらいない」と手厳しい。提出作品は、最近の携帯電話などを使ったソーシャルゲーム人気の高まりを受けて、つながりを意識したゲームが多いという。
タイムラインの大恐慌
また、同社は日本に留学している外国人学生を毎年1~2人程度採用しているが、長谷川さんは「会社で力を入れているオンラインゲーム文化が発達した韓国の志望者が増えている印象がある」と話す。
オンラインやソーシャルなど、ビジネスの流れにあったゲームを志向する学生が多い一方で、ゲームセンターやゲーム機用のゲームで一時代を築いたセガの伝統を引き継ごうという気概に燃える志願者もいる。「新しい技術をふんだんに使った上級者向けのゲームを作りたい学生も減ってはいるものの、毎年確実にいる」(長谷川さん)という。
さらに、学生からは「もう一度作らないのですか」と、撤退したゲーム機に強い愛着をうかがわせる質問も出るという。
グレートフォールズ、バージニア州の滝
昔からのセガを知っていて、「『サクラ大戦』や『ソニックシリーズ』の熱狂的なファンです」という学生や「ゲームセンターに今も通っています」という学生の方が、「マニュアル通りのことを答える学生よりもセガに入りたいという意欲を強く感じる」が、「採用につながるとは限らない」と断言する。
最も重視するのは「長期的に会社に貢献してくれる人材で、夢物語でなく、ビジネスとして生かせるアイデアを持っているか」だという。
また、営業や事務関係の職種は、かえってゲームをやったことのない人のほうが、素人の目線でゲームの内容を説明でき、向いていることが多いという。
olgc 、ナイアガラ滝、上に
今年の志願者には「東日本大震災の被災地の避難所で生活している人の状態をリポートにした」「被災地でボランティア活動をした」など、震災関連の活動をしてきたという学生も多かったが、「印象としてはプラスになる」。ゲームへの愛着も大事だが、やはり、社会人としての常識的な感性を持っていることも重視している。
(大坪玲央)
(2012.5.1)
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